とてもながいゆめをみていました

神は、罪を犯した天使たちを容赦せず、
暗闇という縄で縛って地獄に引渡し、
裁きのための閉じ込められました。

おはよう、ニール。今日もまた、随分とながいこと寝てたな。

ここ何ヶ月お前は本当に寝てばかりだ。目が醒めるたびにお前はいつもこの世界がまるでつくりものじゃないかって顔をするんだから本当にお前は夢の向こうが本当の居場所なんじゃないかと心配したんだからな。

うん、どうした。
俺の顔に何かついてるのか。そんなに変な顔するなよ。ライルだよ、お前の双子の兄弟じゃないか。
本当にニールは寝てばかりだ。寝ぼけてるんじゃなけりゃ、そんなに夢の向こうが恋しいの、
まるで世界から投げ出されたみたいな顔してる。

ニールあちらの世界はどうだった。
いつも夢の話をしてくれるのに今日はどうした、何も言わないじゃないか。

酷い顔、心配しないで。もう何もつらいことも、かなしいことも起こらない。
大丈夫、もう大丈夫。全部夢だよ。ただの夢。
もう、本当にどうしちゃった、子どもみたいだ。

そうだね俺たちはまだ子どもだ、たった１４だもの。
両手を広げても抱えきれるものなんてたかが知れてる。
あと１０年もしたらきっと、もっと大きくなって、いろんなことができるようになっているよ。
世界だって救えるかもしれない。

ほら母さんが呼んでる。もうすぐティータイムだ。
エミリーがはりきって作ったんだスコーンだって。

ちょっと、ニール。本当にどうしちゃった、何が悲しいの。
何も、何も怖いことなんてないよ。
ほら、
俺はちょっと向こうに忘れ物したから後でいくよ、ニールは先にいってて、エミリーにごめんって伝えといてね。
ほんとうに、すぐに行くよ。
うん、大丈夫。ほら涙拭いて早くしないと。
そうだよ、神さまは嘘をついたりしない。


じゃあね、ニール。そう、笑った顔が一番だ。